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カーサメモリア2012夏のニューデザイン
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カーサメモリア2012夏のニューデザイン公開日のお知らせです。

7月25日にカーサメモリアMEMBERページ内にて公開予定です。

公開まで今しばらくお待ち下さいませ。

デザイン墓石の広がりと類似品について
繁忙期にも関わらず、最近では全国の石材店の方々から様々なご意見やご要望を頂き誠にありがたく感じております。そんな中で改めて感じた事は、地域によって墓石の形の違いはあるものの、どの地域でもデザイン墓石の需要が高まっているということです。

やはり時代の流れとともに、仏塔としての意味を持っていたお墓への認識が変わりつつあるのでしょう。お墓にも個性を求める人が増えてきているようです。他店との差別化のためにデザインの分野に目を向け、試行錯誤されている石材店様が本当に増えているように感じます。

以前に「高まるデザイン墓石の需要」という記事内でも、デザイン墓石の広がりについて書きましたが、インターネットの普及が更にその広がりを加速させているようです。墓石業界でも自社のウェブサイトを持つ会社が増え、手軽に様々な地域の墓石を見る事が出来るようになりました。

ただし、その一方で類似品対策という新しい課題も発生しています。やはり、各企業が創造したオリジナリティの強いデザインは、ひとつの重要な知的財産として守らなければなりません。日本全体を見れば「猿真似日本」と呼ばれていた時代を経て、今では著作権や特許の重要性が認識されていますが、墓石業界はまだまだ認識の低さが感じられます。

デザインの価値を認めようということは、ある意味贅沢な話でもあります。そんな価値よりも今日の売上げの方が大事という考え方もあるでしょう。しかし、かつての「猿真似日本」と呼ばれていた日本が、今では世界でもトップクラスのデザイン力を誇っているように、この墓石業界も著作権や特許ということの重要性に明確に気付いた時には、きっとこの業界のデザインレベルも飛躍的に上がることになると思います。

定番商品のモデルチェンジ
どこの石材店でも良く売れる形の墓石があると思います。いわゆる定番商品と言われるものです。(一般的な和型・オルガン型は除きます。)しかし、そういった墓石でもそのまま放置しておくと、いずれ徐々に売れなくなってくる時期がきます。売れなくなったらまた新しいデザインを考えればいい、という考え方もありますが、定番商品になるようなデザインを考えるのは、ある意味斬新なデザインを考えるよりも困難です。

そこで考えられるのが、今ある定番商品を定期的にモデルチェンジすることです。売れているデザインを変更することに抵抗を感じるかもしれませんが、必ずしも見た目をガラッと変える必要はありません。大切なのはなぜ良く売れているのか?この墓石の最大の魅力はどこか?というポイントを見つけることです。例えばデザイン・価格・機能などです。

デザインが魅力的であれば、そこはあまり変更せず機能面をアップさせる。価格が魅力的であれば、その価格帯で出来る範囲のデザイン・機能の改善をする。デザインは普通だが、お参りがしやすいなどの機能面が魅力であれば、いっそガラッと見た目を変えてみるなど、モデルチェンジと言っても闇雲にデザインを新しくするという意味ではありません。デザインが最大の魅力であれば、無理して見た目を変える必要はありません。むしろ、その他の部分の魅力を高める事で全体的な魅力アップにつながります。まずはお客様がその墓石のどこに一番魅力を感じているのかを知る事が大切です。

小規模だからこそできる「デザインの挑戦」
一般的に斬新すぎるデザインは売れないと言われています。斬新すぎるものは消費者が購入をためらってしまう傾向があるからです。しかし、小規模だからこそ「デザインの挑戦」は可能だと思います。投資額に見合った回収をしなければいけないというリスクがあるため、大企業になればなるほど斬新なデザインには挑戦しづらい面がありますが、小規模であれば失敗してもリスクを最小限に抑える戦略が立てやすいからです。

通常、大企業ほどマーケット調査は慎重に行われます。出来る限り消費者の要望に沿った商品開発を行い、失敗するリスクを減らすためです。しかし、中小企業が大企業と同じ様なマーケット調査をし、商品開発をしてもまず勝つ事は難しいでしょう。逆に、大企業では出来ないことに挑戦することが必要です。

私はそのひとつの方法が「デザインの挑戦」だと思っています。先に行きすぎたデザインをすることを恐れない。むしろ、今後の墓石はこうなっていくという提案型のデザインを考える。もし、それが受け入れられなければすぐに引けば良いことで、また新しいものをつくる。斬新なデザインに挑戦できるのは小規模経営の特権であり、挑戦することで他社との「違い」が生まれるきっかけになると思います。

墓石のデザインプロセス
今日は前回の内容の具体例として、幾何学的な墓石のデザインについて少しご紹介したいと思います。下図の墓石は casa memoria の「TSUBOMI/ツボミ」です。外柵の解説は省略します。

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棹石のプロポーションは横長の白銀長方形である。中央の銘板は縦長の白銀長方形である。つまり、棹石は白銀長方形の組み合わせで構成されている。また、花立も縦長の白銀長方形にぴったり収まる。花立の傾斜はちょうど棹石の角、棹石と銘板の交点にぶつかる。(下図参照)
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花立の高さのラインで棹石を分割すると横長の黄金長方形になる。さらにその形を黄金分割し、現れた点を中心に黄金長方形の対角線を半径とした円が、中仕切りの高さ(花立が置いてあるライン)の基準になっている。(下図参照)

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実際には視覚的な構図のプロセスを説明することはあまりないですが、幾何学は視覚的なバランスを整えるための重要な役割を持っています。また、幾何学と聞くと敬遠してしまったり、どこか冷たいイメージ、無機質なイメージが強いかもしれませんが、「自然の美しさと関係している」ということを少しでも感じて頂ければ幸いです。

自然と調和する墓石
数回に渡り黄金比や白銀比などの幾何学的なデザインについてご紹介してきました。というのも、実は私も墓石をデザインする上で幾何学を用いているからです。しかし、あくまでも幾何学はバランスを整えるためのひとつのツールです。決してそれ自体がアイデアをもたらすものではありません。ただバランスがとれたデザインを実現するためのものにすぎません。

しかし、私は墓石のデザインには必ず黄金比や白銀比といった自己相似形を意識します。墓石だからこそ強く意識しています。それは、元々そういった比率が自然界に存在するものだからです。人は皆、自然から生まれ、自然と共に過ごし、自然(土)に還る。自然を無くして人は生きていけません。お墓というものは故人の安住の地であり、ずっと共に過ごしてきた自然(土)に還る場所でもあります。黄金比や白銀比などは元々自然の美しさの規則性を分析し数値として導き出したものです。たしかに、全体のプロポーションに統一感を与えたり、美しさを与える役割を持ってはいますが、私はそういった数値をお墓のデザインに用いることで、美しさと共に少しでも自然とのつながりが感じられるお墓になってほしいと考えています。

自然と調和する墓石づくりを目指して・・・

高まるデザイン墓石の需要
今後、デザイン墓石の需要はさらに高まるでしょう。

というのも、デザインという言葉が日本で初めて注目を集めたのが1964年の東京オリンピックの時だと言われています。もちろん私はその時代を経験もしていなければ、まだ生まれてもいません。しかし、これが今後のデザイン墓石の需要の高まりと大きく関係していく、と私は感じています。

1964年頃にデザインという言葉が広まったとすると、現在の60歳以下の人達はデザインという言葉が生活の一部として常に存在していたわけです。50歳以下の人では生まれながらにして、すでにデザインという言葉が存在しています。また、たった50年程しか歴史を持たない言葉がここまで大きな広がりを見せている。それは多くの人達がデザインを意識した生活を送ってきたからではないでしょうか?

そういった人達が墓石を建てる時期がきたとき・・・きっとデザインを意識する人は少なくないはずです。さらに、デザインを意識する現象は世代が若くなるにつれ高まっています。


もしかすると、いずれデザイン墓石ばかりが建つ時代がくるのかもしれません。