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コントラストによる視線の誘導
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上にコントラスト(明暗)を変えた3枚の画像があります。使用している画像・レイアウトは同じですが、下の画像にいくにつれて「墓石」という文字が強調されているように感じると思います。

このように、人は明暗の差が大きいものに注目する習性があります。目立たせるためには色を変える方法もありますが、目立つ色を使うと雰囲気を壊してしまう場合があります。そういう時に、明暗の差を利用すると雰囲気を壊さず比較的簡単に目立たせることができ、見て欲しい場所に視線を誘導することができます。

細部にこだわる
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デザインをする上で細部の作り込みによって全体の印象が大きく変わる事がよくあります。

最近では続々と新しいスマートフォンが登場していますが、大まかなサイズやシルエット、構造などはほとんど同じです。しかし、細部の処理の方法や素材の使い方で全く違う印象を受けます。

「デザインの神は細部に宿る」という言葉もあるように、どれだけ細部へ気を配れるか? 細部にこだわることによって伝えたいメッセージが表現しやすくなると思います。

デザインの方向性と終着点
突然ですが、おいしい和食を作ろうとした時、洋食や中華の食材も使おうと思うでしょうか? 多分そう考える人は少ないでしょう。プロの料理家でもない限りまずそんな発想はしないと思います。いくら質の良い食材を使おうと、色々なジャンルの食材を組み合せることは難しいとわかっているからです。

しかし、デザインの事になると何故か…美しいデザイン、カッコいいデザイン等を組み合せれば良いデザインが出来る!と考える人が少なくないように感じます。料理でも和食や洋食、中華を組み合せるのが難しいように、やみくもに好きなデザインだけを集めて参考にしても逆に難易度は上がるだけで、結果、統一感の無いデザインになる可能性が高くなります。

良いデザインを見ると、参考にしたくなる気持ちになってしまうものですが、やはりデザインにもジャンルやテイストがあり、それらを意識せずにデザインしようとすると難易度は上がってしまいます。逆に言うと、デザインの方向性と終着点さえ見失わなければ、ある程度統一感のとれた、美しいデザインを作ることは出来ると思っています。

「こだわり」のあるデザインを目指して
デザインを考える上でいつも心がけている事があります。それは「こだわり」を持つ事です。

そのためには時間的なゆとり、心のゆとりが必要です。「ゆとり」を持つ事が丁寧な仕事につながり、結果的にこだわりのある良いデザインにつながっていると感じるからです。逆に、時間に追われ「ゆとり」を持てないと、こだわりも中途半端、出来た物も中途半端になってしまいます。

しかし、こだわりが強くなればなるほど効率は落ちてしまいます。残念ながらこだわりと効率は反比例してしまいます。時間に限りがある以上、良いモノを作りたいと思う反面、極端に効率も落とせないのが苦しいところ・・・。こだわりと効率の関係はモノづくりをする上での永遠のテーマです。

使い手への配慮
身の回りには、知らず知らずの内に長く使い続けているモノがあります。特に気に入っているわけでもないのですが、古くなっても買い替えることなくずっと使い続けてしまいます。

そういったモノにはある共通点があります。それは使い手の事をよく考えて「配慮」されているという点です。パッと見た感じでは気付かなくても、使っていく内にふと気付く使い手への「配慮」。商品の作り手は、私たちが思っている以上に、使い手の事を考えていることが多いです。どういったところに、どれだけ細かく丁寧に配慮されているか? これが本来の意味での質の良さにつながり、結果長く使い続けている理由になっているのでしょう。

使い手が作り手の「配慮」に気付き、その想いを分かち合う事が出来た時、それはその人にとって手放せないモノになるのだと思います。

色による印象の違い
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上の4枚の画像を見てどんな印象を受けたでしょうか?

これらの画像は、一番上の画像を元にして色合いを変えたものです。見比べてみると、色合いを変えただけですがそれぞれ異なった印象を受けると思います。視覚的な役割の中で、色の印象は大きな力を持っています。色合いを少し変えるだけで、そのモノが持つ雰囲気や世界観を変える事ができるのです。こういった色による雰囲気づくりは、商品のコンセプトを表現するにあたりとても効果的です。

余白が生み出す効果
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「余白の美」という言葉があります。日本画などを見てもわかるように、日本では古くから余白が持つ美しさを大切にしてきました。生け花の一輪挿しも良い例でしょう。西洋などでは見られない日本人ならではの感性です。

しかし、この「余白の美」については数々の書籍で解説されていますが、その理論を理解するにはなかなか難しいところがあります。そこで今日は余白が生み出す「効果」について少しご紹介したいと思います。余白というのは一見無駄なスペースと感じられることがありますが、余白をとったデザインというのはそれだけで上質な印象や優雅な印象を与えてくれます。

例えばホテルのロビーや高級レストラン。優雅な空間を演出するために必ず大きな余白(スペース)をつくります。美術館では絵の周りに柵を付け近づけないようにしたり、海外の有名人が来日した時には護衛を付け周囲にスペースを確保したりします。これは「余白の美」とは違い世界共通の感覚と言えるでしょう。余白の美しさはわからずとも、その効果は誰しもが無意識に実感しているのです。そうした経験が余白に対して上質さや優雅な印象、重要なモノだという印象につながります。

ただし、単純に余白を取れば良いということではありません。空いてしまっただけの空間とは意味が違います。やはり余白のバランスが重要になってきます。余白を上手く活用している代表的な企業にアップルや無印良品などがありますが非常に関心させられます。

問題から生まれる新しい発見
デザインを考えていると、アイデアに行き詰まったり思わぬ問題に遭遇することがよくあります。時間をかければ必ず良いデザインが出来る・・・のであれば問題はないのですが、そんなことはありません。特に進展も無いまま時間だけが過ぎ、精神的にも追い込まれることもしばしばあります。

しかし、思い返してみるとそうした問題を乗り越えた時のほうが、他の場面で活用できるアイデアが浮かんだり、新しい発見があったように感じます。もちろん、考えすぎて上手くデザインがまとまらない事もありますが、遠回りをしたからこそわかることもあります。

考え抜くという過程には苦しみと共に、必ず新しい発見のチャンスが眠っていると思っています。

多数決の欠点
社内で最も多くの票を獲得したデザインに決定する。一見、良い判断方法に感じるかもしれませんが多数決にも欠点があります。それは好みで選ばれているということです。何万人もの多数決であれば別ですが、数十人や数百人の好みではお客様に本当に支持されるかどうかわかりません。またそのデザインが失敗した場合、誰も責任を取らなくても良いので選ぶ際に力が抜けてしまう可能性があります。

そのためデザインの最終決定はデザインを良く知り、市場を最も把握している人が行うのが良いでしょう。責任を押し付けるという意味ではないですが、選ぶ責任がある以上、真剣に市場で支持されるかどうかを判断せざるを得ません。真剣に選んだものでなければ良いモノは生まれません。

通常は経営者が最終決定者であることが多いですが、場合によってはそれ以外の的確な判断が出来る人やデザイン開発スタッフ達に任せるのも良いでしょう。責任感が生まれ、モチベーションの向上にもつながると思います。

商品購入までのプロセス
消費者が商品を購入するまでの心理的なプロセスについて、簡潔にまとめられた法則があります。「AIDMA/アイドマの法則」です。ご存知の方も多いかもしれませんが、これはアメリカの経済学者ローランド・ホール氏が提唱した仮説です。100年近くも前のものですが、非常にわかりやすくまとめられており、私もデザインを考える際の参考にしています。

1. ttention(注意):知ってもらう
2.nterest(興味):興味を持ってもらう
3. esire(欲求):欲しいと思ってもらう
4. emory(記憶):覚えてもらう
5. ction(行動):購入してもらう

このように、商品を知ってもらってから購入してもらうまでの消費行動のプロセスが簡潔にまとめられています。現在ではこれに「Repeat(リピート)また購入してもらう」「Satisfaction(満足)満足してもらう」も追加され、アフターフォローまで考慮されたものになっています。100年近くも前のものとはいえ、現代社会でもまだまだ充分参考になる法則です。